女性に捧ぐ「真クレオパトラ伝説」女性に捧ぐ「真クレオパトラ伝説」古代エジプトのクレオパトラのことは皆さんご存知ですね。 もう少し鼻が高ければ歴史がどうのこうのとか。 絶世の美貌で淫乱で男をとりこにしたとか。 これはみんな嘘っぱちです。後世のヨーロッパ人のねたみによる悪口なのです。 いまから、真相をお話します。 クレオパトラはアレキサンドリアに住んでいました。 当時のアレキサンドリアは商業で栄え、世界一の文化都市だったのです。 そして、世界唯一世界最大の図書館があったのです。 ここには、世界中の本はもちろん文物が集められていました。ロゼッタストーン類似品、世界中の言語も集約されていました。 クレオパトラはこの図書館に毎日通い、本を読んでいたのです。王族と学者と一部の商人に混じって。 クレオパトラが成長し弟と王権を争うまでになった時、エジプトにローマ軍が進駐してきました。 当時の軍司令官ジュリアスシーザーは、根っからの軍人です。軍事知識はありますが、教養となると子供同然です。 クレオパトラからみれば辺境の田舎のローマからできた野卑な男でしかありません。 しかし、いやしくも占領軍の司令官ですから、表向きは従わなくてはなりません。 シーザーは最初、エジプト支配のため、クレオパトラを利用しようとしたのですが、その聡明さ、教養の高さにたちまち魅了されてしまいました。とくに夜になって、暗くなるとますます、その魅力にひきよせられたのです。何せクレオパトラのバックには世界最高の知識の殿堂アレキサンドリア図書館がついているのですから。 シーザーも一応ローマ一の男ぶりです。それなりの魅力、人間性ゆたかさを併せ持つ男性でした。 ここで、考えてください。 当時の照明はもちろん電気はなく、植物油のランプやろうそくの火です。昼間でも建物の中は暗いのですが、まして夜になると手探り状態です。 こうなると鼻が高いとか低いとか、外見だけの美貌というのは全く役に立ちません。 効果があるのは声、しかも口から出る言葉なのです。次に香りぐらいでしょう。 香を立ち込めた寝室で、クレオパトラは静かにシーザーを待ちます。そして、シーザーはやってきました。武具を脱ぎ夜着になってリラックスです。 「おつかれさまでした。ジュリアスさま」「うむ」 「こちらにいらして」、美しい声が部屋に響きます。 シーザーの楽しみ、安らぎ、癒される場所は、ここクレオパトラに添い寝してもらいながら、過ごすこの空間と時間です。 そして、待望の会話が始まります。 「今日は疲れた、こんなことがあってな」 最初はクレオパトラが聞き役です。 「そう、それはたいへんでしたね、うんうん。それで、どうなったの?」きき上手です。 シーザーは、悩みをすべて解消し、アドバイスをもらい、大変満足です。 ひととおり、話が終わったところで。 「今夜はどんな話を聞かせてくれるかな?」 「それでは、昔々ナイルの上流、・・・・・王子様とお姫様がいて・・・・魔法使いが」 ジュリアスが聞いたこともない、面白いはなしです。胸をときめかしながら、わくわくして、話をききつづけます。このときは泣く子も黙る将軍シーザーも子供同然です。 たびたび、面白すぎて明け方になってしまうことがあります。 あくる朝、シーザーの部下は睡眠不足で目のしたにクマができた上司にいいます。 「昨夜はお楽しみでしたね」「うむ」 シーザーもまさか御伽話で徹夜したとは、だれにもいえません。 次の夜はさすがに、シーザーも疲れ、クレオパトラの美しい声をききながら、話の途中であえなくダウン。 クレオパトラもそこは眠りを誘うような話しかたをします。その点は自由自在です。 「アーア、とうとうねちゃった」「☆オ☆ヤ☆ス☆ミ☆」 以上が真相です。部下はまだ事情はわかっています。しかし遠く離れたローマ市民や後世の人たちは言うでしょう。 クレオパトラの美貌がどうの、閨房の秘術が上手など、勝手に想像するだけです。 なにせ自分たちの指導者の心が奪われてしまったのですから、よい印象は持ちません。悪口ばかりになります。まして、後継者のアントニーも同様にクレオパトラのとりこになったのですから憎悪ひとしおです。 以上で、「真クレオパトラ伝説」、おしまいです。 美貌に自信のない女性のみなさんでも。電気を消してしまえばこっちのものですよ。 おとこをとりこにできるお話を仕込んでくださいね。香水をつけて、美しい声を出せるよう発声練習。 ☆☆☆ アーエーイーウーエーオーアーオー ☆☆☆。 |